コラムコラム

2019.07.19

住まいの安心!「住宅取得資金の特例」編

父母や祖父母から住宅取得資金をもらっても
贈与税も相続税もかからない特例
~直系尊属からの住宅取得資金の贈与の特例~


 

ご自宅の購入の際にご両親などから援助を受けられる方も多く、「この援助に関する税金はどうなるのでしょうか?」とご相談をうけることがあります。

ご両親などからご自宅の購入資金として援助を受けることは、贈与となり贈与税の対象となる旨お伝えすると・・・

「それでは多額の贈与税を納めないといけないのでしょうか?」

贈与税と聞くと多額に税金を納めないといけないというイメージがありますが、住宅取得のためご両親などの直系尊属からの贈与については、一定の要件を満たせば贈与税がかからない制度があるのです。
以下に詳しい内容を説明します。

 

1.制度の概要

この制度は、「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という規定によるものです。
この制度は、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けて住宅を取得した場合には、一定の金額まで贈与税が非課税となるというものです。

 

2.非課税の金額

住宅の新築等にかかる契約の締結日が2020年3月31日までの場合の非課税限度額は次の通りとなります。

 

 省エネ等住宅 省エネ等住宅以外
3,000万円 2,500万円

 

※上記非課税限度額は、住宅用家屋に係る対価の額に含まれる消費税等の税率が10%の場合です。
※契約の締結日が2020年4月1日から2021年3月31日までの非課税限度額は、省エネ等住宅が1,500万円、省エネ等住宅以外は1,000万円となります。

 

3.節税効果

贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり年間(暦年)で贈与を受けた金額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
またこの基礎控除は、住宅取得資金の贈与の非課税と重複して適用が可能です。

例えば、親より省エネ等住宅の取得資金として3,110万円の贈与を受けた場合には、基礎控除の110万円と住宅取得資金の贈与の非課税限度額3,000万円(省エネ等住宅)の合計が3,110万円となり贈与税はかかりません。(贈与税の申告は必要)

 

★適用した場合★
3,000万円+110万円⇨贈与税はかかりません

 

もしこの3,110万円の贈与に、非課税限度3,000万円を適用しなかった場合には、1,085万円もの贈与税がかかりますので、この贈与税の特例がいかに有利な制度かがわかります。

 

★適用しなかった場合★
3,000万円+110万円⇨1,085万円の贈与税がかかります

 

さらに贈与をした父母等に相続が発生した場合には、相続開始前3年以内の贈与は、既に贈与された財産を相続財産に加算する必要がございますが、この制度による非課税部分については、相続財産に加算する必要もないので相続税にも影響がありません。

 

4.注意点

直系尊属からの贈与であること。配偶者の父母などは直系尊属には該当しません。

贈与を受ける人の合計所得金額が2,000万円以下であること。

親族などから住宅を取得したものでないこと

贈与を受けた資金は、その全額を住宅の取得に充てる必要があります。

取得した家屋の床面積は50㎡以上240㎡以下であること。

取得した住宅は、贈与の翌年3月15日までに居住するか居住が確実であり、贈与の翌年末までに居住しない場合には、この贈与税の特例が取り消されます。

この非課税の特例を受けるには、贈与税の申告書に一定の書類を添付して税務署へ提出する必要があります。

 

5.まとめ

ご両親からの援助(贈与)によりご自宅の購入を検討されている方にとっては、住宅取得資金の贈与の非課税は大変有利な制度です。またご両親の将来の相続税の観点からも有利な制度となっておりますので、この機会にご検討いただければ幸いです。

PROFILE

税理士法人スリジエ 代表税理士

山本英和

京都五条住宅展示場において月に一度「住まいの税金相談会」として 相談員をさせていただいております税理士の山本です。 相談内容としては、ご自宅購入時の税金(住宅ローン控除など)をはじめ 親御さんからの援助(贈与)や不動産の売却に関する税金、相続税対策など多岐にわたる相談がございます。 これらの経験を踏まえお役に立つ情報を発信してまいります。

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