食卓からはじまる住まいの元気 「根菜」編
毎年、寒い季節になるとオススメするのが冬野菜です。
中でも土の中で育った根菜類は、水分が少ないので身体を冷やしません。またビタミンやミネラルを豊富に含み、血行を促進し、冷え解消効果に優れています。血液や筋肉を作るタンパク質の働きを助け、代謝をアップさせてくれるのです。
秋~冬にかけて出てくる根菜には人参、大根、ごぼうなどがあげられます。
根菜をたっぷり使った料理で代表的なものは筑前煮がありますね。同じく根菜の煮物料理である「煮しめ」。お正月に食べるお節料理には欠かせません。昔から縁起の良い料理としてお祝いごとや節句などに振る舞われてきました。
根菜類やこんにゃく、椎茸など様々な食材を一緒の鍋で煮ることから家族が仲良く一緒に結ばれるように「家庭円満」の意味が込められています。
さらにそれぞれの食材にも意味があるのです。
◉里芋
種芋からたくさんの小芋へ繋がっていく様から、子孫繁栄を願う。
◉ごぼう
地中に長く根をまっすぐ張ることから、家族や家業の土台が安定し、一家の繁栄を願う。
◉れんこん
穴が空いてることから、将来の見通しが明るくなることを願う。
◉人参
梅は寒い冬から春にかけて早々に咲くことから縁起物とされてきた。
人参を「ねじり梅」の飾り切りにし、生活の豊かさを願う。
食材を飾り切りにすれば華やかな仕上がりになり、おもてなしにもピッタリ。白だしを使った簡単レシピを
ご紹介します。とても簡単に出来ますので日常で、気軽に作ってみて下さい。
★ ★ ★ 煮しめ ★ ★ ★
[材 料](2~3人分)
里芋 6個
ごぼう 1/2本
れんこん 150g
人参 1/2本
こんにゃく 1/2枚
干し椎茸 4枚
絹さや 5枚
白だし 大さじ4
みりん 大さじ3
干し椎茸の戻し汁 300ml
[作り方]
① 干し椎茸はぬるま湯で戻し、石づきを取っておく。
② 里芋は六方むきにし、下茹でする。
③ ごぼうは、タワシで皮を洗い、斜め切りに。酢水(分量外)に漬ける。
④ れんこんは皮をむき、8mm幅に切り、花れんこんに。②の酢水に漬ける。
⑤ 人参は皮をむき、1cmの輪切りにし、ねじり梅に。(梅の型を使うと便利)
⑥ こんにゃくは、手綱こんにゃくにし、さっと下茹でする。
⑦ 絹さやはさっと茹でて、Vに切り取り、矢羽根切りに。
⑧ 鍋に絹さや以外の材料と調味料を入れて火にかけ、煮立ったら弱火にし、
キッチンペーパーで落し蓋をし、15分煮る。冷めるまでおき、味を染み込ませる。
⑨ 器に盛り、絹さやを飾る。
◉こんにゃく
ねじれが手綱に似ていることから「手綱こんにゃく」と言われる。
その結び目と “縁結び”をかけて、良縁や夫婦円満の縁起物として用いられる。
◉椎茸
六角形の飾り切りにし、亀の甲羅と使われることも多い。「鶴は千年、亀は万年」長寿を願う。
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是非、それぞれの食材に込められた意味を楽しみながら、味わって下さいね。
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Profile
野菜ソムリエ プロ
藤岡いづみ
親子食育イベントの企画や食に関するセミナー、料理教室の講師、企業や公的機関とのコラボ企画など滋賀をフィールドに幅広く活躍中。